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変形性関節症とは?
変形性関節症は、関節の機能を維持するための重要な要素である軟骨がすり減り、関節のクッション性がなくなり、関節の緩みが生じる病気です。結果として関節の痛みや腫れ、可動域の制限など、日常生活に影響を及ぼす様々な症状が現れます。
変形性関節症の主な症状
- 関節痛
- 関節の腫れ
- 関節の硬直
- 関節の形状の変化
- 関節の可動範囲の制限
- 関節のこわばり(特に朝の起き上がり時)
- 関節の強度や安定性の低下
- 関節のポップ音やクリック音
- 疼痛による睡眠障害
- 運動能力の低下
など
脂肪幹細胞を用いた変形性関節症の治療
脂肪幹細胞(脂肪組織由来幹細胞)を用いた変形性関節症の治療とは、患者様自身の脂肪を採取し、その中から脂肪幹細胞を抽出して関節内に注入するという方法です。関節の炎症を抑制し、損傷部位の修復を促進させる、また関節軟骨の変性を抑制することで関節の持続性を高めるといった効果が期待できます。
脂肪幹細胞を用いた治療の特徴
自己の細胞を用いる
この治療方法では、患者自身の脂肪細胞から幹細胞を取り出し、治療に用いるため、免疫反応や拒絶反応などのリスクが低減します。
組織の修復を促進
脂肪由来の幹細胞は、自身が分裂し増殖する力と、様々な種類の細胞に変化する能力を持っています。また液性因子と呼ばれる、炎症をおさえたり、組織修復に必要な物質を放出します。これにより、損傷した関節組織の修復を促進することが可能となります。
長期的な効果
一度脂肪から幹細胞を取り出して保存しておくことで、必要な時に治療を行うことができます(細胞バンク)。これにより、長期的な視点で関節の健康を保つことが可能となります。
少ない副作用
患者様自身の幹細胞を使用するため、副作用が少ないと言われています。
非侵襲性
脂肪の採取は短時間で行われ、幹細胞の投与は超音波ガイド下で正確に注射によって行われます。体への負担を最小限に抑えながら治療を行うことが可能です。
治療の流れ
脂肪吸引
患者様自身の皮下脂肪を吸引します。
フレッシュ幹細胞は、60〜100cc
培養幹細胞は、10〜20cc
脂肪幹細胞の分離
吸引した脂肪から脂肪幹細胞を分離します。フレッシュ細胞は脂肪吸引後、約1〜2時間で滅菌操作を行いながら幹細胞を分離・精製します。
培養細胞は当院のCPCを用いいて約2〜3週で培養します。
培養細胞には、ご自身の血液も100cc必要となります。場合によっては細胞の培養を行うこともあります。
脂肪幹細胞を投与
分離した幹細胞を超音波ガイド下で関節内に投与します。将来の再生医療のために、余った濃縮幹細胞を凍結保存することも可能です。
副作用・注意点
脂肪幹細胞の採取に関して
脂肪組織の採取に際して、一時的な出血や痛みが生じることがあります。また、適切な傷口のケアが行われない場合、感染症を引き起こす可能性もあります。
脂肪幹細胞の投与について
投与した部位で一時的な腫れや痛みが生じることがあります。また、感染により合併症が起こる可能性もあります。
細胞の精製・培養・保管について
そばじまクリニックは、院内にCPC(細胞培養加工施設)を設置しており、厳密な管理の下、専門スタッフが細胞の精製・培養・保存を行っています。しかしながら、感染症のリスクや異物が混入する可能性、細胞に異常が現れる可能性はゼロではなく、そうした問題が生じた場合、再度、組織採取を行うことがあります。