幹細胞治療

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再生医療(幹細胞治療)について

再生医療とは、細胞が持つ再生力を利用し、傷ついた組織や失われた機能を修復・再生する医療です。これまで治療が困難だった怪我や疾病への新たな治療方法として、研究と開発が進められています。
この再生医療の分野で中心的な役割を果たすのが「幹細胞」で、その特性は2つあります。1つは自身が分裂・増殖する能力、つまり「自己複製能力」、そしてもう1つは血管、心筋、骨、脂肪などの多種多様な細胞へと変化する能力、すなわち「分化能力」です。
これらの特性を持つ幹細胞を利用することで、損傷や老化などにより失われた機能を修復・再生し、健康な状態を取り戻すことが可能になります。

幹細胞の種類

脂肪由来幹細胞

脂肪由来幹細胞は、脂肪組織から取り出され、脂肪組織だけでなく骨や軟骨など他の組織にも分化することが可能です。

フレッシュ幹細胞

培養幹細胞

下記は当院では取り扱いはありません
骨髄由来幹細胞

骨髄由来幹細胞は、血液細胞(赤血球、白血球、血小板など)を生み出す能力を持つ幹細胞です。

臍帯由来幹細胞

臍帯由来幹細胞は、新生児の臍帯血から取り出され、血液細胞をはじめとする多種多様な細胞に分化する能力を持っています。

乳歯髄由来幹細胞

乳歯髄由来幹細胞は、乳歯の歯髄(中心部)から取り出され、神経細胞などに分化する能力を持つ幹細胞です。

脂肪幹細胞について

近年、再生医療において注目されているのが「脂肪幹細胞(脂肪組織由来幹細胞)」です。皮下脂肪の中に存在し、採取が容易であり、数も豊富であるため、様々な疾患への治療に利用されています。

効果が期待できる疾患

変形性関節症(脊椎、手指関節は除く)

変形性関節症においても脂肪幹細胞治療が活用されています。関節の軟骨がすり減り、骨と骨が接触することで起こる痛みや動きづらさの改善、さらには痛んだ軟骨組織の修復を促進することで、生活の質(QOL)の向上が期待できます。

※変形性股関節症への治療について詳しくはこちら

腱板損傷

脂肪幹細胞は腱板損傷の治療に有効で、炎症の抑制や組織の修復を促進します。

関節リウマチ(難治性)
脊椎疾患や脳血管障害の残存する上肢・下肢のしびれや疼痛(術後残存などの難治性)
その他、標準治療や手術治療後に残存する慢性的な疼痛
スポーツ外傷

スポーツによる関節や腱の損傷にも、脂肪幹細胞治療が適応され、炎症の抑制と組織の修復が期待されます。

その他の疾患

乳癌術後の乳房再建

脂肪幹細胞は、乳房の形状を自然に再現するための乳房再建にも利用されています。

心臓血管病(重症下肢虚血)

重症下肢虚血の場合、脂肪幹細胞を用いて新たな血管を形成し、血流を改善することが期待されます。

消化器病(肝硬変)

肝硬変に対しても、脂肪幹細胞が肝細胞の再生を助ける可能性が研究されています。

豊胸

脂肪幹細胞は、自然な質感と形状を持つ乳房を作り出す豊胸手術にも利用されます。

尿失禁

尿失禁に対する脂肪幹細胞治療では、尿道組織の再生を通じて症状の改善を目指します。

美容(皮膚の加齢変化)

脂肪幹細胞は、皮膚の再生と若返りをはかる美容治療にも活用されています。

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